Kowa 興和株式会社

学術論文情報

興和株式会社が支援・実施した研究の論文概要です。
本コンテンツ掲載の臨床論文は治験を除き、当該製品の「効能又は効果」、「用法及び用量」の範囲で検討されたものです。
「効能又は効果」に直接関連しない項目が主題となっている論文もありますが、適応外使用を推奨するものではありません。

  • 2型糖尿病を伴うNAFLDに対するトホグリフロジンとグリメピリドの有効性の比較:無作為化非盲検実薬対照試験

    Takeshita Y. et al.
    英文

    非アルコール性脂肪肝合併2型糖尿病患者40例を対象に、トホグリフロジン20 ㎎投与群とグリメピリド0.5 mg投与群に無作為に割付、48週間観察を行った。主要評価項目は肝生検による肝病理の変化、副次評価項目は肝機能、血糖等の代謝パラメータ、肝発現遺伝子の変化。主要評価項目である肝病理の変化は、トホグリフロジンの投与前後で脂肪沈着、バルーニング、炎症、線維化の全ての項目が有意に改善した。一方、グリメピリドの投与前後では、バルーニングのみ改善した。なお両群間で有意差はなかった。

  • SGLT2阻害薬トホグリフロジン(デベルザ錠)の血糖および血清尿酸に及ぼす効果の検討

    角田 弘一、他
    和文

    男性2型糖尿病患者10人を対象に、トホグリフロジン20 mgを1日1回朝食後に経口投与し、8週後の血糖コントロール、代謝マーカー、尿酸に及ぼす影響を検討した。また、休薬8週後にも同様の検査を行った。HbA1c、体重、ウエスト周囲長、高分子量アディポネクチンがトホグリフロジン投与後に有意に改善した。

  • 日本人男性2型糖尿病患者の食後血糖と脂質代謝のトホグリフロジン治療による残存効果

    Kakuda H. et al.
    英文

    トホグリフロジンの食後の糖代謝及び脂質代謝に及ぼす影響を検討した。2型糖尿病の男性患者にトホグリフロジン20 mg/日を8週間経口投与し、その後8週間休薬期間を設けた。投与8週間後には、高分子アディポネクチンの増加とともに、血糖値、HbA1c、尿酸、体重、ウエスト周囲長に有意な減少が認められた。

  • 日本人男性2型糖尿病患者におけるトホグリフロジン投与が食後血糖および脂質代謝に及ぼす影響:パイロット研究

    Kakuda H. et al.
    英文

    トホグリフロジンの食後の糖代謝及び脂質代謝に及ぼす影響を検討した。2型糖尿病の男性患者にトホグリフロジン20 mg/日を8週間経口投与し、その後8週間休薬期間を設けた。投与8週間後には体重、BMIが有意に低下した。8週間後にHbA1cも有意に低下したが、16週時に元に戻った。

  • 食塩摂取量と血糖状態の関係におけるSGLT2阻害剤、トホグリフロジンの腎への影響

    Nunoi K, et al.
    英文

    第Ⅲ相長期投与試験の2型糖尿病患者775例において、田中式を用いた推定1日尿中ナトリウム排泄量に基づいた基礎1日食塩摂取量(推定1日食塩摂取量)ごとに52週までのeGFRの推移を多変量解析にて評価した。eGFRは4週でシャープに低下した後、52週まで徐々に上昇していき最終的には全体でベースラインよりも有意に上昇した。HbA1cおよび推定1日食塩摂取量が4週時および52週時のeGFRの変化の独立した予測因子であり、HbA1c低値および推定1日食塩摂取量が少ない患者でより52週時のeGFRが上昇した。血糖に加えて食塩摂取がトホグリフロジンによるeGFR変化と関連していた。

  • 2型糖尿病患者の腎尿細管機能指標へのSGLT2阻害剤トホグリフロジンの効果

    Nunoi K, et al.
    英文

    第Ⅱ相、第Ⅲ相試験で、トホグリフロジン(Tofo)を投与された988例の統合解析を行った。患者を3つの群(正常アルブミン尿群、微量アルブミン尿群、顕性アルブミン尿群)に分類し、尿細管指標(NAG/β2MG)とUACRのベースライン値からトホグリフロジン投与24週時までの影響を検討した。Tofo投与により、尿中NAGは正常アルブミン尿群では上昇し、顕性アルブミン尿群では有意に低下し、微量アルブミン尿群では有意な変化がなかった。UACRは微量および顕性アルブミン尿群で有意に減少した。

  • SGLT2阻害剤トホグリフロジン療法下において、β-ヒドロキシ酪酸の最大値および初期上昇は基礎インスリン分泌能を予測し、体重減少とも関連した

    ※適応外情報が含まれます

    Sato Y, et al.
    英文

    第Ⅲ相試験でトホグリフロジン20 mgまたは40 mgを投与された774例を、投与初期(4週後)のBHBの上昇値で四分位に分けた後(Q1-Q4)、最もBHBが上昇した群(上位四分位群(Q4) )とそれ以外の群(Q1-Q3)の2つの群に分けて解析を行った。また、上位四分位群と最大BHB値のベースライン予測因子を検討した。投与4週後のBHB変化量の中央値は、上位四分位群(Q4)およびそれ以外の群(Q1-Q3)でそれぞれ+246.4 μmol/L、+30.8 μmol/Lであった。ベースラインのインスリン分泌能が低いほど、上位四分位群に含まれ、最大BHB値が高いことが予測できた。上位四分位群(Q4)は、それ以外の群(Q1-Q3)と比較して遊離脂肪酸の増加および空腹時C-ペプチドの低下が大きく、体重減少が大きいことが示唆された。

  • ヒトにおける難治性血液悪性腫瘍の腫瘍増殖に対するSGLT2阻害薬の影響

    Nakachi S, et al.
    英文

    ヒトで難治性の血液癌の一つである成人T細胞白血病(ATL)患者の白血病細胞、および2種類のATL細胞株(MT-1とMT-2)において、SGLT2のmRNAレベルが上昇していた。SGLT2阻害剤であるルセオグリフロジンとトホグリフロジンは、MT-1およびMT-2細胞の増殖を、接着性および接着非依存性の培養条件下で抑制した。このような腫瘍細胞増殖抑制効果は、ATL患者の末梢血白血病細胞においてもルセオグリフロジンにより再現された。MT-2細胞では、いずれのSGLT2阻害薬もグルコース取り込み、細胞内ATPレベル、NADPH産生を抑制し、その結果、G0/G1期での細胞周期停止を増強した。

  • ROCK1はアクロレインによって亢進する網膜グリア細胞遊走に関与する

    Fukutsu K, et al.
    英文

    ラット網膜ミュラーグリア細胞(TR-MUL5)において、アクロレイン刺激によりROCK1の遺伝子発現増加、酸化ストレス増加に伴うROCK1の産生増加が認められた。また、MYPT1およびMLC2のリン酸化の亢進、グリア細胞の遊走が認められ、これらはいずれもリパスジルで抑制された。

  • サイトメガロウイルス陽性Posner-Schlossman症候群患者における角膜内皮細胞のアポトーシスに対するROCK阻害剤の影響

    Igarashi N, et al.
    英文

    サイトメガロウイルス陽性Posner-Schlossman症候群(CMV+/PSS)患者と健常対照におけるTNF-α、IL-8、IL-10等の房水中濃度を定量した。CMV+/PSS患者の房水では、TNF-α、MCP-1、IL-8、IL-10の発現量が上昇し、これらのサイトカインのうち、TNF-αは角膜内皮細胞数と負の相関を示した。CMV感染ヒト角膜内皮細胞(hCEC)では、TNF-αとNF-κBのアップレギュレーションが確認された。 CMV感染hCECでは、アポトーシスが誘導され、細胞接着障害が認められたが、この影響はROCK阻害剤で処理することにより抑制された。