学術論文情報
興和株式会社が支援・実施した研究の論文概要です。
本コンテンツ掲載の臨床論文は治験を除き、当該製品の「効能又は効果」、「用法及び用量」の範囲で検討されたものです。
「効能又は効果」に直接関連しない項目が主題となっている論文もありますが、適応外使用を推奨するものではありません。
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脂質異常症患者におけるペマフィブラート(K-877)のコレステロール引き抜き能と食後高脂血症に対する効果
Yamashita S, et al.英文33例の患者がペマフィブラート0.4 mg/日(1日2回)投与、またはプラセボ投与に割り付けられた。各薬剤を4週間投与し、次の4週間で薬剤を入れ替えて投与した。コレステロール引き抜き能(CEC)は、空腹時の血液サンプルから得られたHDLを用いて測定した。食事負荷試験は食後血清脂質値を検討するために0、4、8週後に実施した。プラセボ投与期と比較してペマフィブラート治療後でCEC、HDL-C、アポA-Iが増加した。さらにCECの変化率はHDL-CおよびアポA-Iの変化率と相関した。
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TG高値かつHDL-C低値患者におけるペマフィブラートvs.フェノフィブラートの有効性と安全性:多施設プラセボ対照二重盲検無作為化試験
Arai H, et al.英文対象患者をプラセボ群、ペマフィブラート0.1 mg/日、0.2 mg/日、0.4 mg/日、あるいはフェノフィブラート100 mg/日、200 mg/日投与群に無作為に割付け、12週間投与した。TG値の低下に関してはペマフィブラート0.4 mg/日、0.2 mg/日でフェノフィブラート200 mg/日に対する非劣性が示され、ペマフィブラート全用量でフェノフィブラート100 mg/日に対する優位性と非劣性が示された。有害事象および副作用の発生率は、ペマフィブラート投与群間では用量依存的な増加は観察されなかった。
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NAFLDに対するトホグリフロジンとピオグリタゾンの併用:ToPiND無作為化比較試験の延長試験
Yoneda M. et al.英文対象患者はトホグリフロジン20 mgまたはピオグリタゾン15〜30 mgを1日1回24週間経口投与され、その後両薬剤の併用療法がさらに24週間行われた。糖尿病および肝脂肪症に対する効果は、ベースライン時および単剤療法と併用療法終了後に検討された。併用療法は各単剤療法群と比較してHbA1cのさらなる改善を示し、トホグリフロジン単剤療法群と比較してMRI-PDFF、MRE、ALT値の変化を認めた。併用療法により、TGの低下、HDL-Cの上昇、アディポネクチンの上昇、ケトン体濃度の上昇がみられた。
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NAFLD合併2型糖尿病患者におけるトホグリフロジンとピオグリタゾンの効果の比較(ToPiND試験):無作為化前向き非盲検比較試験
Yoneda M. et al.英文2型糖尿病を有し、MRI-PDFFに基づいて評価した肝脂肪率が10%以上の非アルコール性脂肪肝患者を対象とした。 対象患者は、トホグリフロジン20 mgまたはピオグリタゾン15~30 mgを1日1回24週間経口投与する群に無作為に割り付けられた。主要評価項目は24週時のMRI-PDFFの変化量。対象患者40例がトホグリフロジン群(n=21)とピオグリタゾン群(n=19)に無作為に割り付けた。投与24週後の肝脂肪症の変化をMRI-PDFFで評価したところ、両群とも有意な減少が認められた。ベースライン時と比較し、24週後の体重はトホグリフロジン群で減少、ピオグリタゾン群で増加した。
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トホグリフロジンは体脂肪量を減少させ、末梢のインスリン抵抗性を改善する
Matsuba R. et al.英文DPP-4阻害薬を投与中の2型糖尿病患者を対象にトホグリフロジン20 mgを1日1回12週間投与した時の末梢のインスリン抵抗性に対する影響について、グルコースクランプ法を用いて探索的に検討した。評価項目は、最終評価時における末梢糖取り込み率のベースライン値からの変化量、末梢糖取り込み率(M値、M/I値)。HbA1cは有意に低下。M値、M/I値はそれぞれ有意に増加し、末梢のインスリン抵抗性の改善が認められた。
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SGLT2阻害薬の重篤な皮膚および皮下組織障害への感受性と皮膚組織の分布
Sakaeda T, et al.英文SGLT2阻害薬の重篤な皮膚障害との関連を明らかにし、そのメカニズムとしてメラニンの関わりを検討した。PMS記録は、JADERデータベースを用いて入手し、有害事象と薬剤の関連をデータマイニング技術で解析した。MOEを用いたIn silico 3Dドッキングシミュレーションにて各SGLT2阻害薬とメラニンとの結合を解析した。また、アルビノタイプのWistar ratに臨床用量のSGLT2阻害薬を経口投与して皮膚組織への分布を検討した。SGLT2阻害薬以外の薬剤と比べた皮膚障害のオッズ比は、イプラグリフロジンが1.667、ダパグリフロジンが0.514、トホグリフロジンが0.149、ルセオグリフロジンが0.624、カナグリフロジンが0.590、エンパグリフロジンが0.293であった。
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ROCK阻害薬はTGF-β2で刺激したヒト線維柱帯細胞由来の3Dオルガノイドに立体構造の変化をもたらす
Ota C, et al.英文緑内障モデルにリパスジル 10μMもしくはY-27632 10μMを添加し、5日間培養したHTM細胞の動態変化を評価した。ROCK阻害薬の添加により、HTM細胞の経上皮電気抵抗は低下し、3D培養モデルにおいて細胞外マトリクスのタンパク質産生が有意に抑制された。またROCK阻害薬により、3D培養したオルガノイドの狭小化が抑制されて細胞間隙が拡張すること、それに伴いオルガノイド自体が柔らかくなることを認めた。
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糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬の治療中止の理由: KAMOGAWA-A試験
Saijo Y. et al.英文日本人糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬の投与中止の理由を明らかにすることを目的に、SGLT2阻害薬を開始した766例の糖尿病患者が登録された。追跡期間は投与開始から2年間。全体で97例(12.7%)が追跡期間中にSGLT2薬の服用を中止した。SGLT2阻害薬の中止理由で最も多かったのは頻尿(19.6%)、次いで性器感染症(11.3%)、血糖コントロールの改善(10.6%)、腎機能障害(8.2%)であった。
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夜間頻尿の減少の有効性に対する多施設、オープンラベル、ランダム化対照優越性試験:TOP-STAR試験
Nakajima H. et al.英文夜間頻尿を訴える2型糖尿病患者80例が組み入れられた。患者は、食塩制限指導を行わずトホグリフロジンを投与する群、トホグリフロジン投与と併せて食塩制限指導を行う2群に分けられた。主要評価項目は12週時点の夜間排尿回数であり、副次的評価項目は、日中の排尿回数、尿量、家庭血圧の変化とした。12週時点の夜間頻尿の変化には両群間に有意差はなかった。夜間頻尿の回数は、食塩制限なしのトホグリフロジン群では変化せず、トホグリフロジン+食塩制限指導群では有意に減少した。食塩制限群では昼間の尿量および排尿回数が増加する傾向がみられた。
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2型糖尿病患者における睡眠障害とQOLの関連:横断研究
Hashimoto Y. et al.英文2型糖尿病患者342人を対象とした本研究では,日本国民健康・福祉調査(NHWS)データベース2016を用いた。睡眠症状のいずれかを経験していると報告した回答者を睡眠障害として扱った。健康関連QOLを調べるために、SF-36質問票から身体的健康度(PCS)、精神的健康度(MCS)、EQ-5Dからは健康状態を表すサマリースコアを用いた。日本人2型糖尿病患者の66.4%に睡眠障害があると報告された。
