学術論文情報
興和株式会社が支援・実施した研究の論文概要です。
本コンテンツ掲載の臨床論文は治験を除き、当該製品の「効能又は効果」、「用法及び用量」の範囲で検討されたものです。
「効能又は効果」に直接関連しない項目が主題となっている論文もありますが、適応外使用を推奨するものではありません。
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マウスの房水動態におけるリパスジル・ブリモニジン配合点眼液の影響
Yamagishi-Kimura R, et al.英文マウス眼における眼圧、房水動態、EVP(上強膜静脈圧)を、ゲル収縮アッセイと免疫染色法によりヒト線維柱帯細胞における細胞骨格と線維状タンパクの変化を調査した。リパスジル、K-232、ブリモニジンはコントロールと比べて点眼30分後に有意に眼圧を低下させ、K-232では効果が点眼60分後まで持続した。また、K-232のみで点眼60分後までEVPが低下した。in vitroにおいては、リパスジルはゲルの収縮とTGFβ誘導性の線維性変化を阻害したが、ブリモニジンはこれらを阻害しなかった。
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ロシグリタゾンおよびROCK阻害薬はヒト結膜繊維芽細胞のTGF-β2による線維化を異なる方法で抑制する
Oouchi Y, et al.英文リパスジル、ROCK2阻害薬、またはロシグリタゾン存在下で、ヒト結膜線維芽細胞培養細胞のTEER値、大きさ・硬度、細胞外マトリクス関連の遺伝子発現を評価した。TGFβ2により上昇したTEER値はロシグリタゾンで減少した。リパスジルまたはROCK2阻害薬添加により、3Dオルガノイドの硬度が低下した。
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TGFβ2存在下で2D培養及び3D培養したヒト線維柱帯細胞に対するpan-ROCK阻害薬及びROCK2阻害薬の多様な影響
Watanabe M, et al.英文ヒト線維柱帯細胞をTGFβ2刺激下において2D及び3Dオルガノイドとして培養し、pan-ROCK阻害薬であるリパスジルとROCK2阻害薬による影響を検討した。 リパスジル添加により、3Dオルガノイドの有意なサイズの増大および硬度の低下を示した。また、TGFβ2刺激により2D培養及び3D培養オルガノイドにおける、細胞外マトリクス関連遺伝子、TIMP2、MMP9の発現が増加したが、これらの発現はリパスジル添加、ROCK2阻害薬添加で有意かつ異なる変化を示した。
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ROCK阻害薬とEP2作動薬の同時添加は3T3-L1前駆脂肪細胞の脂肪分化誘導と物理的強度に対し予想外の作用を示す
Ida Y, et al.英文2D及び3D培養した3T3-L1細胞の脂肪分化誘導に対するリパスジルの作用およびリパスジルと同時にオミデネパグまたはブタプロストを添加した際の影響を評価した。オミデネパグまたはブタプロストの添加は、2Dおよび3D培養3T3-L1細胞の脂肪細胞分化誘導と物理的強度に対するリパスジルの作用に有意な変化を及ぼしたがそれぞれ異なるものであった。
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プロスタグランジンF2α、EP2受容体作動薬、およびROCK阻害薬はヒト眼窩線維芽細胞に関連したグレーブス眼症の3Dオルガノイドの形成を調節する
Ichioka H, et al.英文グレーブス眼症の患者から採取した眼窩部線維芽細胞を用いて、3Dオルガノイドを作製し、緑内障治療薬を添加した際の影響を評価した。リパスジル添加により、3Dオルガノイドのサイズが大きくなり、硬度が低下した。また、リパスジル添加により、細胞外マトリックス関連の遺伝子であるCol1、FN、CTGFの発現が有意に低下した。
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2型糖尿病合併高TG血症患者におけるペマフィブラートの有効性と安全性:52週データの検討(PROVIDE試験)
Araki E, et al.英文2型糖尿病合併高TG血症患者を24週までプラセボ群またはペマフィブラート0.2 mg/日群、0.4 mg/日群に無作為に割り付けた(治療期第1期)。24週後にプラセボをペマフィブラート0.2 mg/日に変更した以外、治療は52週まで継続した(治療第2期)。52週における空腹時TGの変化率はプラセボ/ペマフィブラート0.2mg/日群(n=57)が-48.2%、ペマフィブラート0.2mg/日群(n=54)が-42.3%、ペマフィブラート0.4mg/日群(n=55)が-46.4%であった。TG、Non-HDL-C、TCは安定して低下し、HDL-Cはペマフィブラート治療により52週にわたり増加した。
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2型糖尿病と高TG血症を合併する患者における新規選択的PPARαモジュレーター、ペマフィブラートの脂質・糖代謝への効果: 無作為化二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相試験
Araki E, et al.英文プラセボ (n=57)、ペマフィブラート0.2 mg/day (n=54)、ペマフィブラート0.4 mg/day (n=55)が24週間投与された(治療第1期)。さらに28週間フォローアップの治療が行われ(治療第2期)、第2期ではプラセボがペマフィブラート0.2 mg/dayに切り替えられた。ペマフィブラート群では空腹時血清TGが約45%低下し、プラセボ群と比べても有意な変化を示した。さらに、ペマフィブラート群では、non-HDL-C、レムナントリポ蛋白コレステロール、アポB100、アポB48、アポC3が有意に低下し、HDL-CとアポAⅠが有意に上昇した。ペマフィブラート群はLDL-Cにはほとんど影響を与えなかった。
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高TG血症患者におけるペマフィブラートの糖代謝マーカー・肝機能検査値への効果:第Ⅱ相・第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照臨床試験の6試験併合解析
Yokote K, et al.英文日本人を対象に行った第Ⅱ相・第Ⅲ相の無作為化二重盲検プラセボ対照試験である6試験を後ろ向きに解析し、ペマフィブラート0.1 mg/日、0.2 mg/日、0.4 mg/日投与時の糖代謝マーカー、肝機能検査値への影響を検討した。対象集団は1253例であり、プラセボ(n=298)、ペマフィブラート 0.1 mg/日群 (n=127)、ペマフィブラート 0.2 mg/日群 (n=584)、ペマフィブラート 0.4 mg/日群 (n=244)であった。空腹時TGはすべてのペマフィブラート群において、プラセボ群と比べて有意に低下した。空腹時血糖、空腹時インスリン、HOMA-IRはすべてのペマフィブラート群においてプラセボ群と比べて有意に低下し、ペマフィブラート0.4 mg/日群の低下が最大であった。
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SGLT2阻害薬トホグリフロジンはマウスにおける左心疾患に伴う肺血管リモデリングを改善した
Joki Y, et al.英文C57BL/6Jマウスへ大動脈弓縮窄術(TAC)を施行し、TAC 1週間後から トホグリフロジン(TOFO) 3mg/kg/日を 3週間投与した。TACにより肺組織の Col1a1, Col3a1の mRNA発現が増加したが、TAC+TOFOではこれらのmRNA発現が有意に少なかった。高脂肪食(HFD)を負荷したAKR/Jマウスへ TOFO 3mg/kg/日を 20週間投与した。HFD負荷により体重・血糖値、TNF-α・IL-6 および BNP・ANFが増加するが、HFD負荷+TOFOではこれらの増加が有意に少なかった。肺動脈平滑筋細胞(PASMC)へ TOFO 1μMを添加して 24時間培養した。TOFOはPASMCの遊走率を低下させた。
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腎機能障害合併高脂血症患者における新規選択的PPARαモジュレーター(SPPARMα)、ペマフィブラートの長期投与時の有効性と安全性
Yokote K, et al.英文多施設、単群、オープンラベルの第III相試験において、高中性脂肪血症患者189例にペマフィブラート0.2~0.4 mg/日を52週投与した。スタチン投与患者ではeGFR≧45 mL/min/1.73m2、スタチン非投与患者ではeGFRの値に関わらず投与された。ベースライン時のeGFR値によって層別化されたサブグループに対しPost-hoc解析を実施した。TG値は52週時(LOCF)で45.9%低下し、これらの低下作用はベースライン時のeGFR値と相関しなかった。eGFR<30 mL/min/1.73m2の群ではカイロミクロン、VLDL-C、small LDL-Cが減少し、HDL-Cが増加した。
