学術論文情報
興和株式会社が支援・実施した研究の論文概要です。
本コンテンツ掲載の臨床論文は治験を除き、当該製品の「効能又は効果」、「用法及び用量」の範囲で検討されたものです。
「効能又は効果」に直接関連しない項目が主題となっている論文もありますが、適応外使用を推奨するものではありません。
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高TG血症患者を対象としたペマフィブラート徐放性製剤の臨床薬理 第Ⅱ相、多施設、ランダム化、単盲検、実薬対照クロスオーバー比較試験
※適応外情報が含まれます
Yamashita S, et al.英文高TG血症患者を対象に多施設、ランダム化、単盲検、実薬対照クロスオーバー比較、第Ⅱ相試験を実施した。被験者は、ランダムにIR 0.2 mg/日、XR 0.4 mg/日、XR 0.8 mg/日に割り付けられた。空腹時TGは各群でベーラインから有意に低下し(最小二乗平均:IR0.2で-43.6 [-47.7%、XR0.4で-41.1%、XR0.8で-39.7%)、XR0.4とXR0.8はIR0.2と非劣性を示した。
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新規SPPARMα ペマフィブラートの有効性と安全性:脂質異常症患者を対象とした第Ⅱ相、第Ⅲ相試験の併合解析(スタチン併用有無別の解析)
Yamashita S, et al.英文日本で行われたペマフィブラートの6つの試験の併合解析を行い、スタチン併用有無別の有効性と安全性、特に腎機能障害を持つ患者(eGFR<60 mL/min/1.73m2)について検討を行った。解析対象1,253例中、スタチン併用例は677例、スタチン非併用例は576例であった。12週後、全てのペマフィブラート投与群(0.1 mg/日、0.2 mg/日、0.4 mg/日)でスタチン併用の有無に関わらずプラセボと比べて有意なTG低下作用が認められた。スタチン併用群におけるベースラインからのTG低下率は、プラセボ群で-2.0%、ペマフィブラート群でそれぞれ-45.1%、-48.5%、-50.0%であった。
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トホグリフロジンとエンパグリフロジンの無作為化クロスオーバーによる薬剤間差の研究
山田 佳彦、他和文2型糖尿病患者にトホグリフロジン(TOF)とエンパグリフロジン(EMP)をそれぞれ12週間投与する前向きランダム化クロスオーバー試験を実施した。 TOFは20 mg、EMPは10 mgを1日1回朝食後に経口投与した。主要評価項目は試験薬投与後の血中NT-proBNPの薬剤間差とした。NT-proBNPの変化は薬剤間の差は認めなかった。0週時と比較して、HbA1cはTOF先行群、EMP先行群のいずれも12週時、24週時に有意な低下が見られ、血糖値は、TOF先行群では、12週時、24週時、EMP先行群では12週時に有意な低下がみられた。
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2型糖尿病患者に対するトホグリフロジンの使用実態下における長期有用性と安全性の検討-観察期間12ヵ月の前向き観察研究-
洪 尚樹、他和文トホグリフロジンの使用実態下における有効性と安全性を評価した。解析対象者は、トホグリフロジン1日1回20 mgを投与した608例の2型糖尿病患者。主要評価項目である投与開始12ヵ月後のHbA1cは有意に低下した。有害事象の発現率は全体では13.65%で、頻尿が最も多かった。
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高脂肪食Dahl食塩感受性ラットおよび食塩抵抗性ラットにおけるトホグリフロジンの心肥大抑制作用
Kimura T, et al.英文食塩感受性ラット(DS rat)および高血圧を起こさない食塩抵抗性ラット(DR rat)に、高食塩かつ高脂肪食を与え、トホグリフロジンを9週間混餌投与して心肥大および各代謝指標について検討した。DS ratにおいて、トホグリフロジンは、コントロール群と比較して収縮期血圧の上昇を抑制した。DS rat、DR ratともに、トホグリフロジン投与により心肥大が抑制され、組織学的検討では、心筋細胞肥大化および血管周囲の線維化抑制が認められた。
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インスリン抵抗性を呈する高TG血症患者における肝および末梢グルコース取り込みに対する新規選択的PPARαモジュレーター、ペマフィブラートの効果
Matsuba I, et al.英文インスリン抵抗性を呈する脂質異常症患者27例をペマフィブラート群(0.4 mg/日、分2)、プラセボ群に無作為に割付、12週間投与した。内臓および末梢のグルコース取り込みを評価するため、開始時(0週)および終了時(12週)に経口グルコース負荷を併用したグルコースクランプ試験を実施した。内臓のグルコース取り込み割合は、ペマフィブラート群ではベースライン時と比べて有意に増加したが、プラセボ群では有意ではなかった。ペマフィブラートはプラセボと比較して、血漿中TG値、遊離の脂肪酸濃度、γ-GTP値が有意に低下し、FGF値が有意に増加した。
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SGLT2阻害薬であるトホグリフロジンは2型糖尿病モデルマウスにおいて糖尿病性腎臓病の進行を抑制した
Li Z, et al.英文KKマウス、KKAyマウスをそれぞれコントロール、DKDモデルとして検討した。7週齢のKKAyマウスに8週間トホグリフロジンを投与した。15週齢(投与8週時)の時点で、コントロールマウスに比べてDKDモデルマウスではHbA1cおよび尿中アルブミンが高値であり、トホグリフロジン投与によりHbA1cは有意に低下したが、尿中アルブミンは低下しなかった。
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トホグリフロジンは雄性マウスにおいて骨格筋のインスリン抵抗性を改善し、脂肪組織の脂肪分解を促進した
Obata A, et al.英文C57BL/6マウスに通常食を与え20週間トホグリフロジン(TOFO)を混餌投与した群、Pair-feedingにより高脂肪食を同量与えTOFOを8週間混餌投与した群を作製し、血糖値、体重、徐脂肪体重、血清インスリン濃度、尿量、尿中グルコース量等を測定した。また、経口ブドウ糖負荷試験、剖検を行い、TOFO投与時のリパーゼ蛋白のリン酸化量及び関連遺伝子発現量等を測定した。通常食負荷時および高脂肪食負荷時ともに、TOFO投与で体重増加が減弱したことにより血糖、脂肪量、肝重量、肝TG量が低下し、耐糖能とインスリン感受性が改善した。また脂肪酸とケトン体は増加、呼吸商は減少した。ホルモン感受性リパーゼ、白色脂肪組織中のTGリパーゼおよびβ酸化に関連する遺伝子発現が有意に増加した。
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リパスジル・ブリモニジン併用点眼は視神経挫滅モデルマウスの神経保護効果を強化した
Namekata K, et al.英文10週齢の雄C57BL/6Jマウスの視神経を外科用鉗子で圧迫し(神経挫滅)、2%リパスジル、1%ブリモニジン、またはその混合液を1日1回5 μL点眼した。神経挫滅14日後に眼球摘出し、生存している網膜神経節細胞をカウントした。また、神経保護に関連する各種因子への影響も検討した。視神経挫滅後のRGC数の減少は、リパスジル、ブリモニジン各単剤投与で抑制され、混合液ではより強く抑制された。また、リパスジル、ブリモニジンおよび混合液は神経挫滅により誘導されるp38のリン酸化を抑制した。
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ROCK阻害薬は薬剤間の異なる機序でヒト眼窩部線維芽細胞を用いた3Dオルガノイドの物理特性や脂肪分化を調節する
Hikage F, et al.英文眼窩脂肪ヘルニア患者から採取した眼窩部線維芽細胞を用いて3Dスフェロイドを作製し、 pan-ROCK阻害薬(リパスジル、Y-27632)とROCK2阻害薬を添加した際の薬剤の影響を検討した。脂肪分化誘導により、3Dスフェロイドにおける脂肪産生の亢進とそれに伴うスフェロイド径や硬度の増加を認めた。pan-ROCK阻害薬の添加では脂肪分化の増強と硬度の低下が見られた。一方、ROCK2阻害薬の添加では脂肪分化は抑制され硬度は上昇した。
