Kowa 興和株式会社

学術論文情報

興和株式会社が支援・実施した研究の論文概要です。
本コンテンツ掲載の臨床論文は治験を除き、当該製品の「効能又は効果」、「用法及び用量」の範囲で検討されたものです。
「効能又は効果」に直接関連しない項目が主題となっている論文もありますが、適応外使用を推奨するものではありません。

  • 正常ラットの視神経乳頭の血流に対するRhoキナーゼ阻害薬リパスジルの影響

    Wada Y, et al.
    英文

    リパスジル(0.4%)またはプラセボを二重盲検法でラット右眼に投与した。レーザースペックルフログラフィーを、1回点眼後20分または40分、1日2回点眼の7日前または14日後に右目の神経乳頭部で測定した。1回の点眼後、血管領域(MV)はリパスジル群では20分後よりも40分後の方が有意に大きく、プラセボ群では有意に低かった。投与40分後の全領域(MA)およびMVは、プラセボ群よりもリパスジル群で有意に大きかった。持続注入後、リパスジル群のMAおよびMVは投与7日後および14日後にベースラインから有意に増加した。

  • イヌの濾過手術モデルにおける結膜瘢痕に対するRhoキナーゼ阻害薬リパスジルの影響

    Kojima S, et al.
    英文

    イヌの緑内障手術モデルにおいて、手術直後に0.4%リパスジル塩酸塩水和物溶液(治療眼)またはリン酸生理食塩水単独(対照眼)を1滴、1日2回4週間点眼した。眼圧とブレブの特徴を4週間評価した後、組織学的評価を行った。また、PCNA陽性細胞とTGFβ陽性細胞を定量化した。眼圧は、治療眼では対照眼よりも有意に低下した。結膜面積と強膜面積の比は、治療眼で減少した。

  • Rho-キナーゼ阻害薬リパスジル塩酸塩水和物(K-115)がウサギの眼血流および毛様動脈血管平滑筋収縮に及ぼす影響

    Ohta Y, et al.
    英文

    雄性オランダウサギを用い、眼圧計による眼圧測定とレーザースペックルフルーグラフィー(LSFG)による視神経乳頭血流(ODBF)測定を行った。ODBFを低下させるために塩酸フェニレフリン局所投与後に0.8%リパスジルを1滴眼表面に滴下し、単離したウサギ毛様体動脈血管平滑筋収縮に対するリパスジルの効果をin vitroでミオグラフを用いて測定した。リパスジルは、フェニレフリンにより誘発されたODBFの減少を抑制したが、血流変化は眼圧変化と有意な相関はなかった。また、高カリウム溶液で前収縮させて単離したウサギの毛様体動脈を濃度依存的に弛緩させた。この弛緩は一酸化窒素厚生酵素やプロスタサイクリン、大伝導性カルシウム活性化カリウムチャネルに内皮依存的な活性を介したものではなかった。

  • ネコの網膜微小循環に対するRhoキナーゼ阻害薬ripasudil(K-115)の硝子体内投与の影響

    Nakabayashi S, et al.
    英文

    リパスジル(5 μM、50 μMまたは5 mM)またはvehicle(PBS)を硝子体内注射した。血管径と血流速度を同時にレーザードップラー流速計で測定し、網膜血流量(RBF)を算出した。硝子体内注射後、網膜循環パラメータはPBSまたは5 μMのリパスジルでは有意な変化を示さなかった。血流速度およびRBFはベースラインと比較して有意に増加したが、血管径は50 μMおよび5 mMのリパスジルでは有意に変化しなかった。リパスジル50 μMでは血管径が、リパスジル5 mMでは血流速度とRBFがPBSに比べ有意に増加した。

  • GPR84は視神経損傷後にrho-ROCK経路経由のTNF/IL-1αを高発現する網膜マイクログリアのマーカーである

    Sato K, et al.
    英文

    視神経損傷(ONI)モデルを用いて、経時的に網膜ミクログリアの形状および遺伝子発現プロファイルを検討した。ONI後に誘導される網膜神経節細胞(RGC)変性が起こる間にミクログリアの遺伝子発現パターンが徐々に変化することを確認した。神経毒性活性型のアストロサイトを誘導するTnf, Il1αが強度に発現しており、特定の亜集団では、Gpr84を高発現した。リパスジルは、in vitro, in vivoにおいてGpr84の発現とサイトカイン誘導を抑制した。また、GPR84欠損マウスでは、ONI後の網膜神経細胞におけるRGC欠損が抑制された。以上より、Rhoキナーゼを介して変化したGPR84はミクログリアの活性化と神経毒性の促進をもたらすことが明らかとなった。

  • 角膜内皮創傷治癒におけるRhoキナーゼ阻害点眼薬リパスジルの影響

    Okumura N, et al.
    英文

    培養ヒト角膜内皮細胞において、0.3-30 μMのリパスジル添加により、コントロールと比較して多くの細胞がBrdU陽性細胞となった。ウサギ角膜内皮冷凍凝固モデルでは、0.4%(1日4回)リパスジルの点眼により、48時間後のKi67陽性細胞が角膜中央から3.5mm、4.5mmの位置でコントロール群より有意に増加していた。角膜内皮を機械的に掻爬したウサギ角膜内皮障害モデルでは、0.4%リパスジル点眼48時間後のKi67陽性細胞が91.5±2.0%であったのに対し、コントロールは52.6±1.3%であった。

  • ヒト眼窩線維芽細胞に対する選択的EP2受容体作動薬オミデネパグとRhoキナーゼ阻害薬リパスジルの併用効果

    Hikage F, et al.
    英文

    オミデネパグとリパスジルのヒト眼窩脂肪組織に対する影響を評価するために、ヒト眼窩線維芽細胞(HOF)の2次元(2D)または3次元(3D)培養を行った。オミデネパグによる脂肪分化はエネルギー状態を有意に動的へシフトさせたが、リパスジルによる脂肪分化は静的へ有意にシフトさせた。

  • ROCK阻害剤の添加は3T3L-1スフェロイドにおけるプロスタグランジン誘導性脂肪生成阻害を緩和した

    Ida Y, et al.
    英文

    ビマトプロスト、ROCK阻害剤であるリパスジル、およびY27632の脂肪組織に対する影響を明らかにするために、2次元および3次元培養の3T3-L1細胞培養を用いて検討した。ビマトプロストは3T3-L1細胞において、脂肪生成に関するほとんどの変化に対して抑制効果を示した。ビマトプロストにROCK阻害剤を添加するとビマトプロストで誘導された作用のほとんどがキャンセルされた。

  • ブリモニジンは2Dおよび3Dの3T3-L1細胞における脂肪分化に対するROCK1シグナル効果を調節した

    Umetsu A, et al.
    英文

    ブリモニジンとリパスジル、およびKD025(ROCK2阻害剤)の脂肪分化に対する影響を2次元または3次元培養の3T3-L1細胞を用いて検討した。リパスジルのみの処置では、2次元および3次元培養3T3-L1細胞において脂肪生成が有意に亢進した。この効果はブリモニジンによって抑制された。

  • TGF-β2またはデキサメタゾンで処理したヒト線維柱帯細胞は圧縮応力に異なる様式で反応する

    Watanabe M, et al.
    英文

    TGF-β2またはデキサメタゾンで処理した緑内障モデルの線維柱帯細胞の特徴を検討するため、各種実験を行った。線維柱帯細胞の酸化的リン酸化は、TGF-β2またはデキサメタゾン刺激、またはROCK2阻害により変化した。