Kowa 興和株式会社

学術論文情報

興和株式会社が支援・実施した研究の論文概要です。
本コンテンツ掲載の臨床論文は治験を除き、当該製品の「効能又は効果」、「用法及び用量」の範囲で検討されたものです。
「効能又は効果」に直接関連しない項目が主題となっている論文もありますが、適応外使用を推奨するものではありません。

  • トホグリフロジンは肝硬変モデルラットにおける類洞内皮毛細血管化を阻害することで門脈圧亢進と肝線維化を遅らせた

    Asada S, et al.
    英文

    雄のF344/NSlcラットに門脈圧亢進症(PH)および肝硬変を誘導するため、四塩化炭素(CCl4)0.5 mL/kgを1週間に2回、14週間、繰り返し腹腔内投与した。同時に生理食塩液(Vehicle)またはトホグリフロジン10 mg/kg、20 mg/kgをそれぞれ経口投与した。14週後に門脈血行動態、肝血管の状態、肝炎症、肝線維化などの肝の形質を評価した。トホグリフロジンはCCl4投与ラットにおいて血糖状態とは無関係に肝内血管収縮と類洞毛細血管化、リモデリングを減弱し、PHを予防した。肝のマクロファージ浸潤、炎症促進反応および線維化をトホグリフロジンが抑制した。

  • SGLT2阻害薬はメタボリックシンドロームモデルラットにおける血管拡張と心機能の血管周囲脂肪組織介在性調節を改善しなかった

    Kagota S, et al.
    英文

    SHRSP.ZFラットにトホグリフロジン(1または10mg/kg/日)を経口投与し、対照群と比較した。10週間投与後に、血清中および尿中のグルコース濃度を測定した。トホグリフロジン投与群の血清および尿中グルコース濃度は対照群と差がなかったが、糖化アルブミンと非糖化アルブミンの比は対照群より低かった。トホグリフロジン投与群は動脈血管周囲細胞組織(PVAT)存在下、PVAT非存在下のいずれにおいても動脈弛緩に影響を与えなかった。Ex vivoにおける心臓の左室収縮期圧、最大圧低下率、冠動脈流量は治療群間で差はなかった。

  • トホグリフロジン治療中の2型糖尿病患者における血清肝関連パラメータ、尿酸、ヘモグロビン値の変化-UTOPIA研究の事後解析-

    Katakami N. at al.
    英文

    UTOPIA試験から得られたデータを用いて、トホグリフロジン群(169例)と従来治療群(170例)における血中AST、ALT、γ-GTP、尿酸、ヘモグロビン値の経時的変化を評価した。104週の観察期間内で、AST、ALT、γ-GTPはトホグリフロジン群では有意に低下したが、一方で、従来治療群では低下しなかった。その低下量は従来治療群よりもトホグリフロジン群のほうが有意に大きかった。

  • 心血管疾患の既往のない2型糖尿病患者におけるアテローム性動脈硬化症の進行と主要臨床パラメータに対するトホグリフロジンの長期効果:UTOPIA trialの2年延長試験

    Katakami N. at al.
    英文

    UTOPIA試験をさらに2年間延長してフォロー。IMTは、追跡期間終了時にトホグリフロジン群で-0.067 mm、従来の治療を行った対照群で-0.080 mmで有意に低下したが変化量に群間差は認めなかった。baPWVは、対照群で有意に増加したが、トホグリフロジン群では増加せず、変化量に有意な群間差が認められた。対照群と比較して、トホグリフロジン群はHbA1c、HDL-C、BMI、腹囲、収縮期血圧を有意に改善した。

  • 2型糖尿病合併患者のアテローム性動脈硬化と糖代謝に関連するマーカーに対するトホグリフロジンとアナグリプチンの単独または併用時の効果

    Nomura S. et al.
    英文

    1日1回投与のDPP4阻害薬を服用している2型糖尿病患者50名を対象に、トホグリフロジン20 mg投与群、またはアナグリプチン100 mg投与群の2つのグループに分けそれぞれ単独投与を行い、12週間観察した。その後、12週時点でトホグリフロジン群にはアナグリプチン、アナグリプチン群にはトホグリフロジンをそれぞれ追加投与し、さらに36週間の観察を行った。併用療法により、HbA1c とアテローム性動脈硬化マーカーが有意に改善した。

  • 2型糖尿病患者の治療関連QOLに対するトホグリフロジンの影響

    Katakami N. at al.
    英文

    UTOPIA研究のサブ解析。糖尿病治療関連QOL質問票を用いて、ベースライン時および治療開始後26週目、52週目、104週目に評価した。UTOPIA研究に登録された340名の患者のうち、ベースライン時にDTR-QOLアンケートに回答した252名を今回のサブ解析の対象とした。トホグリフロジンによる治療は、DTR-QOL7の総スコアをベースラインから有意に増加させたが、従来治療では有意な変化がなかった。

  • 2型糖尿病患者における動脈硬化に対するトホグリフロジンの効果:前向き無作為化非盲検並行群間比較UTOPIA試験サブ解析

    Katakami N. at al.
    英文

    UTOPIA研究に登録された患者のうち、ベースライン 時にbaPWVを測定していた154例を対象に、副次評価項目の1つである104週間でのbaPWVの変化を評価した。従来治療群と比較してトホグリフロジン群は104週にわたりbaPWVの増加を有意に抑制した。

  • トホグリフロジンは2型糖尿病患者の頸動脈におけるアテローム性動脈硬化の進行を遅延させない:前向き、無作為化、非盲検、並行群間比較試験

    Katakami N. at al.
    英文

    前向き、無作為化、オープンラベル、エンドポイント盲検化、多施設、並行群間比較試験。CVDの既往のない2型糖尿病患者 340名を対象とし、トホグリフロジン投与群とSGLT2阻害薬を投与しない群に割付けた。主要評価項目は、104週間のエコーで測定したmean-IMT-CCAとmax-IMT-CCAの変化量とした。mean-IMT-CCA、max-IMT-CCA、max-IMT-CCAは、トホグリフロジン投与群とコントロール群の両方で有意に低下した。

  • 動物性脂質を含む低炭水化物食と異なり植物性脂質を含む低炭水化物食は心不全を改善する

    Bujo S, et al.
    英文

    植物性脂質を含む低炭水化物食(LCD-P)を与えた圧負荷心不全マウスでは心不全の病態進展が抑制されたが、動物性脂質を含む低炭水化物食(LCD-A)を与えたマウスでは炎症と心機能障害が悪化した。LCD-Aを摂取したマウスとは異なり、LCD-Pを摂取したマウスの心臓では、脂肪酸β酸化関連の遺伝子発現が増加しており、さらに、脂質代謝と炎症を調節するPPARαが活性化した。

  • 虚血肢における酸化ストレスの軽減および血管新生に対するペマフィブラートの効果

    Anegawa T, et al.
    英文

    マウスの後肢虚血を外科的に誘導し、ペマフィブラート(P-05群:ペマフィブラートとして0.5 mg/kg/日、P-10群:1.0 mg/kg/日)、および対照としてメチルセルロース溶液(対照群)を経口投与した。虚血誘導手術から7日後に、虚血肢における活性酸素(ROS) 含有量、抗酸化酵素と転写因子の発現、血流、毛細血管密度を対照群と比較した。虚血肢におけるROS量は、対照群と比較してP-05群およびP-10群で低値を示した。