Kowa 興和株式会社

学術論文情報

興和株式会社が支援・実施した研究の論文概要です。
本コンテンツ掲載の臨床論文は治験を除き、当該製品の「効能又は効果」、「用法及び用量」の範囲で検討されたものです。
「効能又は効果」に直接関連しない項目が主題となっている論文もありますが、適応外使用を推奨するものではありません。

  • SGLT2の阻害はNASHのメダカモデルの肝線維症を遅らせた

    Goto R, et al.
    英文

    d-rR/Tokyoメダカに高脂肪食を給餌してNASHメダカモデルを作製し、給餌タンクの水に薬物を直接溶解してトホグリフロジンを投与後、体重、肝重量、肝毒性、脂肪浸潤、および肝臓の線維性変化に及ぼす影響を観察した。トホグリフロジンがメダカNASHモデルにおいて体重変化に関らず、血糖、血清脂質、およびトランスアミナーゼの増加を抑制することによって脂肪組織の蓄積を抑制し、肝線維化の進行を遅らせた。

  • 体重減少に関するSGLT2阻害効果は肝-脳-脂肪神経回路を部分的に介する

    Sawada Y, et al.
    英文

    食事誘発性肥満マウスに肝迷走神経切除術(HVx)または模擬手術を行い、SGLT2高選択性であるトホグリフロジン0.015%を含む高脂肪食を3週間摂食させた。トホグリフロジン投与マウスは脂肪量が減少したが、HVx群ではその効果は減弱した。HVxマウスも模擬手術マウスもどちらもトホグリフロジン投与によって同等な肝グリコーゲンの減少を示したが、HVxマウスは模擬マウスに比べ白色脂肪細胞でのプロテインキナーゼA(PKA)によるタンパクリン酸化反応が減弱した。

  • SGLT2阻害剤トホグリフロジンは、非肥満性2型糖尿病モデルラットにおける糖尿病眼合併症を改善した

    Toyoda F, et al.
    英文

    SDT ratを用いて、未治療群、トホグリフロジンを混餌投与した群(トホ投与群)およびSD rat群の3群について、糖尿病発症後20週および40週後の尿中アルブミン、白内障、糖尿病性網膜症への影響を検討した。尿中アルブミンは20週時、通常群やトホ投与群よりも未治療群で有意に高かった。尿中アルブミンをトホ投与群と未治療群で比較した場合、20週時はトホ投与群が有意に低かったが、40週時には有意差はなかった。網膜症への影響は網膜の肥厚にて評価し、通常ラット群と比較して未治療群では有意に網膜が肥厚した。トホ投与群では未治療群より肥厚が20週時は有意に抑制されたが、40週時では有意差はなかった。

  • SGLT2阻害薬トホグリフロジンの脂肪組織インスリン抵抗性に関する安静時心拍数に対する影響

    Nojima T, et al.
    英文

    トホグリフロジンの第Ⅱ/Ⅲ相試験のデータで、ベースラインから24週目までの安静時心拍数の変化について検討した。空腹時インスリンとFFAから計算した脂肪組織インスリン抵抗性Adipo-IRから脂肪分解抑制について検討した。心拍数のベースラインから24週の変化の独立した予測因子を多変量解析で検討した。24週時、安静時心拍数の変化はAdipo-IRの変化と正相関しており、安静時心拍数の変化の四分位間でHbA1c、体重、血圧低下は独立していた。多変量解析ではベースラインの安静時心拍数とAdipo-IRが高値であるほど、安静時心拍数の低下は大きかった。

  • 選択的PPARαモジュレーターK-877は膵β細胞におけるABCA1の発現を制御する

    Dong T, et al.
    英文

    In vivo試験において、マウスを通常食+プラセボ、高脂肪食(HFD)+プラセボ、通常食+K-877(0.3 mg/kg/日)またはHFD+K-877(0.3 mg/kg/日)の4つのグループに分け、8週間飼育した。HFDで飼育したマウスで膵臓のABCA1発現は減少したが、K-877を添加したHFDマウスではABCA1の蛋白とmRNAレベルは増加した。また、マウスにおいてK-877はHFDによって引き起こされる耐糖能障害を改善した。

  • PPARαの分子会合モデルと新しい特異的で効率的なリガンド、ペマフィブラート:SPPARMαの構造的基礎

    Yamamoto Y, et al.
    英文

    従来のフェノフィブラートとヒトPPARαの複合体の構造と、ペマフィブラートとヒトPPARαの複合体の構造を計算上構築し、第一原理計算に基づいたフラグメント分子軌道法(FMO)を使って定量的にそれぞれの相互作用を検討した。既知のフィブラートリガンドは、Y字型のリガンド結合ポケットのarm Iのみに結合し、Y字型のペマフィブラートは、空洞領域全体に結合した。in vitroのルシフェラーゼ解析と共に包括的な構造、かつタンパク-リガンド結合の解明によってペマフィブラートが新規SPPARMαであることが明らかになった。

  • 肥満による代謝不均衡はCtBP2を調節し、PPARα転写活性を阻害する

    Saito K, et al.
    英文

    転写抑制因子 であるCtBP2とPPARαの複合体形成によって PPARα標的遺伝子の発現量は減少した。CtBP2の過剰発現は、パルミチン酸による脂肪酸酸化を抑制した。

  • X線結晶構造解析、熱力学的解析、第一原理計算を組み合わせた手法による選択的PPARαモジュレーターペマフィブラートの分子機構の解明

    Kawasaki M, et al.
    英文

    X線結晶構造解析、熱力学的(ITC)解析、フラグメント分子軌道法解析を組み合わせた手法により、ペマフィブラートのSPPARMαとしての分子メカニズムについて検討した。ITC解析では、ペマフィブラートはPPARγと比べて、PPARαにより強く結合することが示された。PPARαリガンド結合ドメイン/ペマフィブラート/SRC1の結晶構造から、ペマフィブラートはY字構造でPPARαのリガンド結合ポケットに結合することが確認された。

  • 高塩分・高脂肪食負荷Dahl食塩感受性ラットにおけるペマフィブラート(K-877)とピタバスタチンの併用投与は血管内皮機能細胞障害を改善する

    Yoshida M, et al.
    英文

    7週齢のDahl食塩感受性ラットを5群[通常食(ND)群、高塩分高脂肪食(HD)群、HD+ピタバスタチン(0.3 mg/kg/日)群、HD+ペマフィブラート(0.5 mg/kg/日)群、HD+ピタバスタチン・ペマフィブラート併用(HD+併用)群]に分け、12週間の投与を行った。投与12週後にアセチルコリンに反応した胸部大動脈の血管内皮依存性弛緩を評価した。 アセチルコリン負荷による胸部大動脈の弛緩率はHD群でND群と比較して有意に低く、HD+併用群ではHD群と比較して弛緩率が有意に上昇した。HD+ペマフィブラート群、およびHD+併用群のラット大動脈におけるリン酸化eNOS発現量は、HD群に比べて増加したが、HD+ピタバスタチン群では有意に増加しなかった。

  • コリン欠乏高脂肪食とデキストラン硫酸ナトリウムで誘導したNASHモデルマウスにおけるペマフィブラートの有用性

    Ota T, et al.
    英文

    19週齢の雄のC57BL/6Jマウスを3群に分けた:コントロール群、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)群、DSS + ペマフィブラート(PEM)群。すべてのマウスに最初の1週間は標準的な飼料を与え、その後12週間はコリン欠乏高脂肪食(CDHF)を与えた。DSS + PEM群には、CDHF飼料にPEM 0.1 mg/kg/日を添加したものを与えた。剖検マウスの病理組織学的検査、免疫組織化学的検査、定量的RNAおよびサイトカイン測定を行った。NASHモデルマウスにおいて、ペマフィブラート投与により、肝臓の脂肪面積の減少、炎症や線維化の改善、腫瘍形成の抑制、腸の炎症抑制が認められた。